2006年10月15日日曜日

チープ革命 in ゲーム開発

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ウチの会社の中では、「デザイナーマシン」と呼ばれているマシンがもっともハイスペックなマシンの代名詞として扱われてきました。



デザイナーマシンというのは、その名の通り、グラフィク・デザイナさんが使用するマシンで、3D のモデリングやレンダリングを行うマシンであり、それらの作業を快適進めるためには、高いスペックが要求されてきたのです。ハイスペックなマシンは当然、その分、高価だったんですね。



たとえば、一番最初、PS1 の開発用として、導入したのマシンは、今は無き DEC の1台200万円以上もするような、とんでもない価格のマシンでした。CPU は、PentiumPro の Dual 構成という豪華さ。



その次、PS2 の初期開発用として、導入したマシンは、DELL 製の PentiumIII 600 MHz Dual 構成のマシンです。このマシンの価格が、68万円。当時、話題の Rambus を採用した最先端マシンだったんですけれど、前回のマシンの約1/3というリーズナブルさでした。初めての DELL マシンの導入だったんですけれど、安いなーという印象がありました。(ただし9台購入して、3台初期不良でしたけど)



で、その後、PS2 後期 〜 PSP までの開発に導入されたマシンは、DELL の Pentium4 2.4GHz のマシンです。このマシンから、CPU は Dual 構成でなくなり、グラフィックボード以外は、普通のマシンになりました。それでも、3D 専用の高価なグラフィックボードを導入したので、36万円くらいでした。



いよいよつぎは、PS3 用の開発を行っている現行機なのですが、DELL の Core2Duo 2.2GHz のマシンに最近変更しました。このマシンの価格は約18万円で、前回のマシンのさらに半額になりました。CPU の動作周波数が、前回のマシンと比べて、低下しているのが、世の中の流れを特徴づけているようなかんじですね。あと、価格低下の原動力になったのは、グラフィックボードを一般向けのグラフィックボードに変更したことが特に影響しています。具体的に言うと GeForce 7900GS で、このグラフィックボード、一般向けのグラフィックボードというだけでなく、特にハイスペックなモノでもなくて、ミドルレンジの普通の商品なんですよ。しかし、PS3 の開発では、それで十分ということがわかったんですね。



価格とスペックについてまとめると、下記のような感じになります。



  • PS1 時代
    200万円 DEC PentiumPro 200MHz Dual, RAM 256M


  • PS2(初期)時代
    68万円 DELL PentiumIII 600MHz Dual, RAM 512M


  • PS2(後期)〜 PSP 時代
    36万円 DELL Pentium4 2.4GHz, RAM 2G


  • PS3 (現在)
    18万円 DELL Core2Duo 2.2GHz, RAM 2G


いやー、この価格の安くなり具合には、スゴイものを感じますし、「チープ革命」ってコトバも実感できるというモノです。さらに補足しておくと、現在のマシンは、これでも会社用ということで、十分な保証(4年間翌日出張修理)と、MicrosoftOffice のプリンインストール付きなんですよ。これらがなければ、あと3〜4万円くらい、下がると思います。うーむ。



実際、この10年で、マシンの値段は10分の1以下になっているんですね。安くなったとは思っていましたが、まとめてみて、あらためて痛感しました。



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