2007年4月19日木曜日

PS3 の性能の使い方

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PS3 は大容量な Bru-ray Disc や高精細グラフィックが大きなウリの一つであり、ソフトのラインナップを見るとすごく大規模でキレイなグラフィックのタイトルが数多く見つかります。



そう言ったタイトルはとてもまっとうなPS3 の性能の使い方をしていると思いますし、その努力は賞賛すべきです。RSX や CELL を使いこなすのはとても多くの努力と時間を必要とするし、本当に凄いなぁと思いながら見ています。



しかし、PS3 の性能の使い方として、ウチでは別のアプローチが有っても良いと思っていまして、それはなにかというと、「開発スピード」なんです。



こういうと、ついさっき「多くの努力と時間」がかかると言ったことと矛盾しているとつっこまれるかもしれませんが、そうではないのです。



たとえば、現在の Webアプリの開発現場では、C や C++ で CGI を作るのは一般的ではありません。もっとライトな PHP や Perl や Ruby などど言ういわゆる「スクリプト言語」で組まれるのが一般的でしょう。こういったことが出来るようになったのは、サーバのCPU性能が飛躍的に向上してきて、CGI の処理程度であれば、スクリプト言語で十分対応できるようになったということが、一因としてあげられると思います。(もちろん、他の要因もありますが)



C などで作成したプログラムに比べると、ほぼ間違いなく、スクリプト言語で作成したプログラムは動作が遅くてムダがあるのですが、動作速度を突き詰めるよりも、「開発のしやすさ」そして、「開発スピード」を選択した結果でなのだと思います。そして、これは処理速度は遅くなったけれど、開発スピードが速くなっているので、制作期間を短くできるし、リリースした後もすばやくユーザのリクエストに対応できたり、新機能を追加できたりするという、処理速度が高速になるというコトとは別のメリットをユーザに提供できているのです。



私が考えるのは、まさにそう言うことで、PS3 のありあまるCPUパワーやメモリ、そしてネットワークをそういう風に使っても良いんじゃない? と考えるわけです。



現在のウチのタイトル「まいにちいっしょ」は、サービスを開始して以来、およそ1ヶ月に1回のペースでアップデートを繰り返してきました。その間にいろんな箇所を修正したり、新機能を追加したりしており、それは今も続いています。



これが出来るのは、なんといってもPS3 に HDD やネットワーク機能があったおかげなのですが、それだけではななくて、PS3 の性能に助けられているトコロもあるのです。



たとえば、PS3 はとてもリッチにメモリを積んでいますから、メモリは多少多めにつかうけれど、変更に強い、冗長性のある設計をとることができているとか、PS2 や PSP の時ほど、カリカリにデータをチューンしなくても十分速くて、キレイなグラフィックが表示されるので、データの制作期間が短縮されたりとか、そういうカンジです。



PS3 くらい性能が上がってくると、そのCPU 性能を使い切らなくても十分にゲームは作れるし、そして、それは難しいことではないんですよね。私の感触だと、PS2 や PSP でゲームを作るより、PS3 でゲームを作る方がずっと簡単だと思っています。ホント、これは正直な感想です。



そして、簡単に作れると言うことは、速く作れると言うことであり、そして短い期間でユーザにゲームを提供できると言うことなんですよね。



コレまでのゲームコンソールのゲームは、この開発スピードアップということに、あまり重きを置いていなかったと思っていますが、インターネットがこれほど普及した現在、いろんなモノがスピードアップしていますし、ネットは新しい刺激に満ちあふれています。コレまで同様の開発スピードでは、こういった世の中の流れに置いてけぼりをくうのではないでしょうか。



うまくいえませんが、もっと、ユーザと対話しながらゲームができあがっていくというか、それ自体がエンタテインメントになるような、ゲームが現れて良いと思うし、そういうモノを「まいにちいっしょ」は目指していきたいと思っています。



まだまだ、先がながいなぁ。



P.S.またまたトロステ紹介の本のリンクです。



 











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