2014年8月24日日曜日

魔法科LZ 第3回: Death and Rebirth

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 魔法科高校の劣等生 LOST ZERO (以降、 魔法科LZ)のブログも3回目で、前回のづづきから。

 プレゼンの失敗報告を速報で受け取ったその夜、スクエニの方も含め緊急会議を行いました。そこでプレゼンの結果について詳細な報告を聞いたのです。まず最も問題となった点について話を聞きました。(補足するとプレゼンに我々は参加できないので、スクエニさんのプロデューサーにプレゼンを行ってもらっているのです)で、その結果は・・・

「バトルが何をやっているのかわからない」

 という本質的なメインコンテンツの問題点の指摘でした。ぐぬぬ。

 実はこの点はプロト制作中に社内でも指摘された点でもあったので、それなりに改良を加えていたつもりではあったのですが、ズバリ!その点が改めて指摘されてしまったのでした。

 解説するとこの段階でバトル画面では、画面が大きく2つのレイヤーに分かれていたのです。

  • プレイヤーの操作を受け付けるアイコンなどが並んでいる2Dレイヤー
  • 3Dキャラクターが表示されるバトルシーン 3Dレイヤー

 なぜこういう設計になっていたかという理由から先にはなしますと、この分離のおかげで3Dレイヤー(バトル演出部分)はUI的な制約から解き離れ存分にかっこいい映像表現が可能になるという利点があったのす。このプロトタイプではその利点を鑑みて採用していたのでした。もちろん、それによってプレイヤーが受けるギャップは理解していたので3Dレイヤー側は、映像的なカメラの切り替え演出でプレイヤーに情報を提示し、それをカバーしていたつもりでいました。そう、先述のような問題点がわかっていてもこのシステムを採用し続けてきたのは、ひとえに「3D的なカッコイイ演出を実現する」そのためでした。これはまさに、第2回のブログで話した、新しいソーシャルゲームに通じる答えだと思っていたのです。

 しかし、この結果を鑑みるとそのこだわり自体が間違っていたと判断せざるを得ない状況になってきていたのでした。そもそも「3D = 未来のソーシャルゲーム」と考えていたのは勝手な自分たちの思い込みでした。3D的な演出は「答え」ではなく、「手段」であるべき話だったのです。手段が目的の障害になるのであれば、手段の方を変更するべきなのは自明の理です。そして、このミーティングで大幅なバトルシステム変更の決断をしました。

 変更するためには、現在の問題を正確に理解できなければまた間違いを繰り返してしまいます。漠然とした「何をやっているのかわからない」と指摘された理由の本質をさらに因数分解してみました。その結果が下記の2つの解です。

  1. 操作対象をタッチして操作したいのに、3Dキャラではなくアイコンを押す事
    (理由:プレイヤーは画面で動いているキャラクターを押したい!)
  2. タッチしてから結果が出るまでに時間がかかる事
    (理由:プレイヤーはすぐに反応がほしい)

 その結果が、この2つです。

 1. の仕様によって直感的操作、具体的には、操作対象ではなく、操作したい3Dキャラクターと押すべき2Dアイコンを操作する事を強要されてしまっていました。これはコントローラーで操作するようなコンシューマーのゲームではアリでも、画面を直接タッチするようなスマフォのUIとしては、プレイヤーのストレスになり直感的な操作の阻害になっていたのです。そして、2. はプロトタイプでのバトルシステムの都合だったのですが、押してからすぐに魔法が発動するというわけではなくアイコンのタッチ後、すでに魔法の発動中の敵がいた場合、その終了後、自分の順番を待って発動していたのです。これは、操作とその結果のラグを生み、1. と同様に直感的な操作の阻害になります。この2つの要因が「よくわからないバトル」原因なのだという結論にたどりついたのです。制作者側の我々は、自分たちで作っているという事もあり、この点を知らず知らずのうちに見逃していたのでした。というわけで、どうやらちょっとした変更ではだめで、この問題を解決できる様な新バトルシステムを考案せねばならないという事が判明したのです。

 一方、バトルシステム以外の点、具体的には、バトル中の必殺技のカットイン、キャラクターモデル、そしてコミュニケーションモードは好評だったとのことでそちらは安心しました。

 とはいえ、バトルシステムはこのゲームの中核でありもっとも重要な部分です。これまでも相当な時間をかけて検討を重ねてきたポイントになります。その箇所の変更という難題に直面しながら、さらに開発期間は着実に残り少なくなっていっていったのでした・・・

つづく。
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