2014年8月29日金曜日

魔法科LZ 第5回: 今度こそ美しい夜を、それは幻ではない


 魔法科高校の劣等生 LOST ZERO(以降、魔法科LZ)、制作ブログもすでに5回目。今回は第3回からの続きで、プレゼンリトライのへの話になります。

 まずは、再起に向けて作戦会議から。提出したプロトタイプで問題と思える箇所を再検討した結果は第3回のブログにも書いたように下記の2つ。

  • 操作対象をタッチして操作したいのに、3Dキャラではなくアイコンを押す事
    理由:プレイヤーは画面で動いているキャラクターを押したい!
  • タッチしてから結果が出るまでに時間がかかる事
    理由:プレイヤーはすぐに反応がほしい

 つまり、バトルの操作も結果もわかりにくい代物になっていたのです… orz

 失敗は成功の母。 失敗の原因がわかれば克服すればいいのです。では、この問題をどう克服するのかという事を焦点に話し合いを進めました。そこで、3Dを用いた演出から頭を切り換えれずにいた自分たちに、スクエニのプロデューサから思いもかけないコメントが飛び出したのです。

「2Dのバトルって、わかりやすいですよね。たとえば艦これとか。」

 えっ!?となりました。これまで演出優先で3Dは必須だとかんがえていたのですが、しかし、わかりやすさという一点において、2Dだと攻撃する方もされる方も小さい画面でも把握しやすく、圧倒的にわかりやすいのは事実です!3D的な派手な演出もちゃんとプレイヤーさんに伝わらないのであれば、意味がない。いまの魔法科アプリに欠けている事は3Dへのこだわりというよりも、こういう事なんじゃないのか?という例を出してくれたのでした。

 あわせて、このバトル演出を2D的な固定カメラ表現に変更する事で、2D キャラはアイコンとしても機能しますから、カメラが頻繁に変更される3D表現では無理だった「操作したいキャラクターを直接タッチして操作する」という、当たり前だけれど、これまで出来なかった事が可能になります。コペルニクス的転回というのは、こういうことを言うのかもしれません。ここから、バトルシーンの思い切った大変更につながっていきました!

 …が、しかし、この段階でも不安要素はもちろんありました。その最たるものとしては

  • せっかくのバトルが地味で、迫力がなくなるのでは?
  • 既存のアプリと画面が似てくる。差別化できないのでは?

 というものです。まず「迫力がなくなる」という点についてはこれまで作ってきたカットインシーンや 3D モデルをバトルの間に差し込んで演出していくこと、そして魔法のエフェクト表現次第でカバーできるだろうと早い段階で見積もることが出来ました。なんとかできそうです。一方、「既存のアプリと画面が似てくる」という方は本質的な点で変えることがむずかしい問題です。小さい画面にタッチできるキャラクターをわかりやすく配置するとなるとどうしてもキャラはSDキャラ化してしまいまいますし、そのような表現手法がすでに他のメジャーなアプリで一般化していたからです。わかりやすさは維持しつつも、魔法科LZ のメインコンテンツともいうべきバトルで他のアプリとの差別化はとても大切であり、なんとか確保しなくてはいけない点でした。ここでさらに、なんとかするべくアートディレクターと相談をかさねます。いろんな画面案を出してもらいながら魔法科のバトルに最も向いていて、しかも他のアプリと差別化できるような表現方法を試していくことになったのです。カードを直接並べてみたり、3DのSDキャラをならべたり、アイコンっぽいものをならべたりといろんなアイデアがでて、実際にサンプルも作ってみたりしてみました。そして、そんななかで一番、おおっ!と思えた表現は、「ミニパト」的なキャラクター表現だったのです ↓


 要は、紙に書いたようなキャラクターが切りぬかれつつも、3Dのシーンに表示されているという、現在(最終的な)魔法科LZのバトルシーンの表現です。しかし、これで解決ではありませんでした。当たり前ですが、その「絵に描いた」キャラクターを描く必要があります。しかもできるだけ可愛く…

 この難題の解決のため、さらに助っ人を求めることにしました。自分が知る限り、もっとも可愛いSDのちびキャラを描くことが出来るイラストレーター「タカムラマサヤ」先生に依頼すればよいのではっ!と思いついたのです。幸いにも、ちょっぴりですが、タカムラ先生とは別の仕事でご一緒したことがあり、面識がありました。藁にもすがる思いで魔法科のちびキャラの作画を依頼してみたところ、快諾してもらえたのです!そしてその 結果は皆さんもすでに見ているとおり、タカムラ先生にすっごくかわいいちびキャラを描いていただけましたた(^^) しかもこれには後日談もあり、あまりに出来がよかったので、ゲームからとびだしてグッズもでる事になったほどです!

 こうして、最終的な形状に近いバトル画面ができあがってったのですが、偶然にも世の中のゲームと全く逆の個性的な構造になっていました。なにが逆なのか?というと

 一般的なゲームの場合 : ちびキャラが3D。必殺技等で2Dの大きなキャラが登場
 今回の魔法科LZの場合: ちびキャラが2D。必殺技等で3Dの大きなキャラが登場

 という点です。最初からこういう風にやろうと考えてしまっていたら、この手法はとらなかったと思うのですが、結果から見てみてると、他のゲームも差別化できるし、結果オーライともいえる逆張りです!こうして、タカムラマサヤ先生の強力な協力を得て、魔法科LZ のバトルシーンは完成に近づいていきました。

 しかし、まだこれだけではプレゼンリトライには不十分といか、ビジュアル的な表現手法は解決されたのですが、操作に関するフィードバックについての課題が残っていたのです…


つづく
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